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33) 銀行にて


主要交通機関「ザ・バス」のシニアーチケットは2年間有効で20ドルだった。便利さもあるがこのパスはID(身分証明)も兼ねる。互恵の精神が徹底しているハワイ、プライオリティと書かれた席を譲るのは当然だが、これを提示すると優先座席は間違いなく確保される。シニアーサービスを受けるときもこれを見せればOKだ。
そのチケットが何度も価格改定されて、有効1年で30ドルになった。もともと安かったといえばそれまでだが、この値上げ幅は凄まじい・・・現在は一般客は2ドル、申し込みがあれば乗り継ぎ券を呉れる。釣り銭は出ない。バス代が上がったがサービスは充実した。バス路線は確かに増えた。

観光客がバスに乗りにくいのはこの路線の複雑さが躊躇を生む。アラモアナが起点になっている。観光租界ワイキキからは殊に難しい。
ダウンタウンの銀行まで、いつもならばアラモアナ・ブルバードを西下してアラケアを、右折銀行前バス停で降りる。この日は別の路線に乗った。いずれにしろダウンタウンは通る。バスはいつもの通りより山側を西下する。大回りすることになった分、少し時間がかかり過ぎた。

銀行への到着が少し遅れた。これが幸いした。パトカーが数台停まっている。銀行強盗が入って後処理の最中という・・・・早く到着していたら「バッタリという」ということになっていた。 銀行窓口で「金を出せ」というメモを突きつけたそうだ。ピストルでも持っていたら大層な事件になっていただろう。

CPBに口座を開設している。過去はソシアルセキュリティー・ナンバー(アメリカでのID)がないと取引ができなかった。特例でディズニーランドで銀行通帳を作るというサービスがあった。親父が逝って遺品の中にこの通帳が残っていた。
今は日本のパスポートで銀行口座は作れるはずだ。ハワイに銀行口座を持つ。記念になるのはもちろんだが、もっと積極的に運用すればよい。日本が低金利の時代もアメリカでは4%台の金利がついた。100万円相当を3年、あるいは300万円なら1年の金利でハワイへ行ける。為替差損の発生も可能性としてはある。しかし株式投資も同じで下がった時に売り急ぐこともない。「差損」ばかりではなく「差益」が生じることもままある。。

私が付き合っているのは「コンドの管理」、現地での不動産管理を銀行にお願いしている。
預金額によってこの管理費用は無料になる。手数料を収益の一つに加える銀行の政策を、日本の銀行も見習うべきだ。
銀行での仕事は一通り終わった・・・・


銀行員S氏と・・・・Tさんのうわさ話・・・・
わたしがハワイの銀行開設でお世話になった元行員、Tさんからの書簡が途絶えている。旦那の父親が、続いて母親が無くなったそうで「東京からハワイに戻っている」と。

その彼女と偶然ワードの店でばったり出会う。4人いる子供のうち下の二人、男の子と女の子が一緒だ・・・・「何しているの・・・」わたしが知っている職場でのTさんよりは、ふっくらとして穏やかに見える。
「旦那の親が亡くなって・・・兄弟がいてマノアの家を処分・・・でないと相続分けするものが無い」「今日は売りに出した家の、オープンハウス・・ひとが見にくるので・・」
深刻な話の内容の割りにはけろりとしている。

その話「1年が経つがなかなか売れなくて・・・兄弟には手続きを踏んでいるわけだから・・・まあええか・・・ということになっている」と、つづきを銀行で聞くのも長閑だ。


S氏と接客中、ロビーで放映されているテレビに警報が鳴り響く。毎月1日はコンドでも11時から、非常ベルの告示がしてある。これを避けて銀行へ逃げ出したのだ。物凄いとしか言い様の無い音が響き渡る。瞬間われわれの世代だと「空襲警報」を思い起こす。
案外当地では真珠湾襲撃の悪夢を引きずっているのではないかとさえ思わせる。「危機管理」に対するアメリカの取り組みには、ただただ呆れる。


ロビーで話をしているわれわれ、S氏に日系人顧客が声をかける。
50 States Quarters・・・・25㌣が州によってデザインされたものが出ている。08年はハワイ州で最後だ。州の独立性をうたった記念貨幣、それぞれの特徴あるデザインは集めていて楽しめる。コレクターのノートブックが店のレジ横に置いてあって、収集の協力をお願いするというのもある。今の所07年はほとんど流通していない。集めるには銀行さんに協力を仰ぐのが一番か? 彼はお願いして立ち去る。

S氏は30歳台後半、日本の語学学校で彼女と出会った。彼女がローカルの人で日本に馴染めずハワイへ帰る。彼もそのまま一緒に島へ・・・・
時々日本へ戻る。タイムラグの悩み・・・ハワイへ帰り着いたらしばらく仕事にならないと・・・・これは弁護士のY先生も同意見だ。われわれ年寄りだけの悩みでは無いようだ。「水をたくさん飲む」「できるだけ太陽に当たる」・・・・銀行で時差ぼけ対策の講義も聴ける。

再度断っておくが大事な銀行業務は大体終えた。その後の寸暇に、たわい無い会話が続く・・・・
昨年の天候、50年ぶりといわれた悪天候。アラワイ運河に汚水が漏れて川下のアラモアナビーチは使用禁止になった。丁度日本から友人が来ていて、知らないままそこで泳ぎ、帰国後見せられた彼の撮った記念写真には、人陰が見当たらないものだった。

河の下流左側は、ワイキキの浜辺につながる。われわれが滞在中も、さすがにこの濱が使用禁止になることは無かった。後日談がある。この濱で泳いで病人が出るようになって、ワイキキも一部で使用禁止されたが、ニュースにはならなかったという。ワイキキに汚水が流れ込んで、遊泳は危ないということになれば夢も吹っ飛ぶ・・・

ご近所のゴシップをしゃべるサザエさん・・・美容院へ行ってきたのかちゃかすマスオさん・・・いえ銀行でと答えておこう。

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