47) ビール
ケイリー・グラントとデボラー・カーの映画「めぐり逢い」の中で、結婚しようと考える時、二人とも「ピンク・シャンパンになじんだ生活を変えるのは大変だわ」、と彼女はいう。そして「あなたはビール好き?」と聞く。「あまり・・・・」と答える彼。ここではシャンパンに対比する生活がビールということが分かる。「父はそうだった、朝からビールを飲んでいた」、とつづける。 グラスの縁から 東理夫
映画の話では「ローマの休日」・・・・ヘップバーン演じる女王と安新聞記者グレゴリペックとの絡みで有名な作品だが、劇中「飲み物はなににする」という質問の、彼女が衒いなく「シャンペーン」と答えるシーンが出てくる。グレゴリペックの困惑した顔、自分は「コーヒー?」を注文する場面が印象的だったと・・・・こちらが忘れている話を息子に教えられる。
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ハワイでのビールの価格は確か70〜80円(350ml) 日本と税制が異なるので驚くほど安い。 日本のビール「スーパードライ」が、こちらでは3本飲めるという勘定だ。そんなことを言うから、いつまでもセレブの生活にはほど遠い。
日本酒に過去の勢いが無く、ワインと焼酎が流行りとはいえ、アルコールといえば圧倒的にビールが国民的飲み物だ。飲酒が個人的な嗜好によるとしても、日本人でシヤンバンの愛好者は珍しい。わたし自身も昨今までは間違いなくビール党、ようやくシャンパンを愛飲するようになった。それでも一杯目は必ずビール・・・・日本のビールは「ドライ」が出てこれが大躍進、業界の常識55年体制を打破した。これがメーカーの宣伝文句のどうり、「キレとコク」があって本当に上手い。
それとK社の「一番搾り」(文字もこの通り)・・・・ハナから世界で売ろうなど考えつかなかったのか?
この「ネーミング」世界でアプローチしにくい。
ついでにいうと長い不景気のトンネルの中で、税法の網を潜った第三のビールは、・・・・試飲した程度でこれを愛飲したことは無い・・・・ 安いとはいえこれはビールの味をまねた別の飲み物のようだ。「安くて、まずくて」もビールというレッテルを張る商法は、ビールが庶民の飲み物としての立場を不動のものにしている証拠だ。その分庶民的な嗜好品に高い税金を掛ける政府の税制は、国民の懐を見透していて万全だ。
もう一つ米国のビールはアルコール度数が低い。日本のビールが低アルコールで成功しないのも、味がいまひとつ解決できないのが原因ではないか・・・・低アルコールで美味いビールということでは外国に負ける。常夏の気候ハワイで昼から飲めるビール、さすがに日本のビールは少ししんどい・・・
会社を終えてニューヨークへいった。後輩T君がたまたま駐在していて、「飯を食おう。わたしがおごるから一級のレストランを」と予約させた。市内が眺望できる階層、落とした照明いかにも高級感のただよう店内のたたずまい。今度逢ったら店の名を問うてみたい・・・・・
とりあえず再会を喜ぶ席に食前に「何を飲むかと」ウエイターが聞く・・・・「まずはビール、バドワイザーと」を注文したわたし、同席したT君が、「宣伝部長その注文は止めて下さい・・・・シャンパンかワインを・・・・せめてイタリアンビールに・・・・」よほど慌てていたと察せられる。とっさのことで彼のわたしへの旧職席名でのアドバイスが飛ぶ。
「Woow・・・・」ほの暗いレストランの中で赤面したのを、今も鮮明に覚えている・・・・・T君の育ち、人柄がにじみ出たアドバイスに改めて「乾杯・・・・・」「再会に乾杯・・・・」
この日の食べ物の味と会話は、今も特別の「想い出」のワンシーンで、ワイフとの会話にも度々登場する。もちろんこの話には続きがあって,料理は確かシェアーしたのだが、T君のオーダーのお裾分けがなかったと彼女はぼやく・・・・・
同じ出来事が社長の時にも起こる・・・・帰国した社長、俺がビールを飲むというのに、T君は文句をいったとお小言・・・・同じことでも評価は真二つ。これで罰点が付いたらかなわぬ・・・・・社長は本気で怒っていた。
人の「評価」も相手によって代わる。怖い・・・・
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