2-25) 読書
ハワイでの生活・・・・たっぷり人生を楽しむ時間がある。目の前のヨットハーバーは、金曜日の夕刻から週末セールを挙げてのヨットが行き交う。街中を走る車がサーフボードを乗せていたり、小型の船を引いて走る、こんな景色もごくごく普通だ。時間を何に使おうと個人の自由である。今朝もエレベーターで、我々同世代の男性が乗り合わせる。週末テニスに出かけるのに、厚い日本書籍を五六冊抱えている。おそらく友人たちに回すのか・・・・既に回ってきたものを返却するのか? 結構硬派の書物が多いのにも気ずく。日本では活字離れが進んでいく・・・・・本の売り上げが激減していて、出版社が軒並み苦戦を強いられている。「文化の成熟」といえばそれまでだが、「読み・書き」にかかわる文章離れは、この国の文化の未来を悲観的にさせる。ケータイで打つメール程度の文章力で、「思考力」が身に付くとはだれもが考えていないだろう。
ハワイで生活すると活字にうえることが多い。ワイフなどは日本から持ち込んだ書物はもちろん、日本語のフリーぺーパーは毎日欠かせない。生活の中で必然的に活字に接触する時間がふえる・・・・ということは現日本人より本をよく読むことになる・・・・書籍が少ないから読む方も探す。読んだら人に勧める・・・・日本の店頭に並ぶ本の数と同じだけハワイにあるとは限らないから、仲間同士の「読書社会」が構築される。
先般島で大学の同窓会が開かれた。呼びかけはラジオ日本語放送から・・・・幹事K君のご努力の賜物だが・・・・・この会合での会話のほとんどは、「本による知識」のお披露目の会といってもよいほどのもの、文学部の「ゼミ」様相であった。質の高い同窓会でしょう。自慢しておきましょう。
解散後は話にでた本を借り受けるために、わざわざ持ち主の友人宅にもたち寄った。
娯楽や刺激が少ないという事情もあろう。 とにかくよく読んでいること・・・しかも真剣に読んでいることに目を見張る・・・・麻生総理のいう漫画本はそんなに見受けない。歴史小説や実録などなど、好きが嵩じた専門知識の蘊蓄や、さらには博識・博学者が多いのにいまさら驚く。私など日本人が生半可な意識で話に加わると、恥をかくことになる。
美容師のMさんと日本の政治の話に・・・こちらでは日本人よりずーつと詳しい。同窓会でも感じた「読書の話」と共通項があるようにおもえる。非常に少ない情報をかき集めて「精緻」に読む・聴く。渦中にいないから尾ひれはそぎ落とされる。迷いがなくて全て吸収できるのだろう。
情報への飢餓感が集中力を高める。「適塾」で貴重な医学書と取り組んだ当時の塾生の方が、熱心で寸分漏らさぬように吸収したのに似ている。要するに緊張感が違うのだろう。
何のことはない、恵まれた社会は贅沢の階段を一つあがるごと、自らの豊かさを放棄して成り立っていることに島にいて気ずく。要するに日本との比較で「モノ」の満ちあふれない生活環境が、読書に関わる時間を増やす。読書に限らぬ、趣味を通じて人を豊かにしている。
「仕事に明け暮れる」日本人何のために生きてきたのかを問われているように感じる・・
もちろん人それぞれであることはお断りしておく。
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